シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
泣きたい気持ちをグッと堪え、ベッドへダイブする。


「はぁぁぁ……」


深く溜め息を吐いて、だらしなくタオルケットを身体に巻き付けた。


けいちゃんは、いつから浮気をしていたんだろう。


一応転送しておいた、さっきのメール。これを見せれば証拠になって、わたしたちはサヨナラできる。


でも怖い…。怖いんだ。3年経っても、こんなにけいちゃんが大好きなんだ。


だけど、けいちゃんがチガウ他の女とエッチしてると考えただけで、気が狂いそうになる。


「だめだ、けいちゃん戻ってくる前に寝なきゃ…」


タオルケットを頭までかぶり、何も考えないようにした。


けいちゃんの顔を見たくなくて、早く朝になってほしくて、ギュッと目を瞑った。


だけどそんな考えは甘く、カチャリと開いたドア。けいちゃんが、入ってきたのが分かった。


「……彩月、寝たのか?」


今は聞きたくもない、けいちゃんの声。その声で浮気女の名前も、呼んでるの?


苦しい……。苦しいよ、けいちゃん……。自分の胸あたり、服をギュッと掴み、必死に耐える。


今は、話したくない。何も喋らないわたしの横に、スッとけいちゃんは入ってきた。


タオルケットを、ゆっくりと剥がされ、けいちゃんの指がわたしの髪に挿し込まれた。

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