シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
「けいちゃんっ!?やだっ、離して……!!」


イヤだと身を捩らせるも、男の力には当然敵うわけもなく、あっという間に視界がベッドのシーツから天井になった。


「まだちょっと時間あるし、しよっか?」


〝しよっか〟って言う時は、けいちゃんがエッチする時に必ず言う言葉。


「ダメ、だって…。仕事に、遅れちゃう…」
「大丈夫だって」


そう言うと、けいちゃんの顔が近付いてきて、唇が重なった。


まだパジャマ姿だったわたしは、けいちゃんの手によってボタンが外され、ノーブラなために隠すものが何もなくサッと手で隠した。


「ん、どうしたんだよ。今更、恥ずかしがんなって」


けいちゃんは、わたしの腕を掴むと顔を近付け、胸の先端を舌で舐めた。


「……っ」


けいちゃんが浮気をしている……。その事実を知ってしまい、けいちゃんのことがイヤになったはずなのに身体は正直で、なんとも言えない快感がわたしを襲う。


でも、声だけは堪えようと必死で耐えた。そんなわたしの反応に気付いたのかは分からないけど、けいちゃんの右手が下に伸びてきて、パジャマのズボンからすぐショーツの中に手が入り、耳元で囁いた。


「こんなに、濡らして。そんなに俺と、したかったのか?」


心では、そんなこと思ってないはずなのに、わたしの身体はおかしいのかもしれない。

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