大キライ。
戦略
「はぁ」
吐いた溜息は、ひとりの帰り道でやけに際立った
そして更に落ち込む、
俺
なんでって、あの昼休みの一件から一度も瑞穂栞を見ていないからだ
ガードが、固すぎる
というか、前にも増して酷くなった
山田洸紀の過保護が
昼休みどころか休み時間さえ、一歩たりとも教室から出さない
放課後はさっさとすぐに帰ってしまうし
せめて、同じクラスだったら…
なんて思っても、仕方がないわけで。
この間の昼休み
あれ以来一度も会ってないから、あのときのことがやけに脳裏に焼き付く
彼女は
悲しそうに
残念そうに
見えたんだ、俺には
あんな過保護に身動きも取れないような状況を
瑞穂栞は喜んでいるだろうか
きっと本当はもっと、自分からしたいことや、やりたいことがあるはずだ
だけど言えないんだ、そんなこと
なぜならあの子にとって
山田洸紀は、大切な存在だから
それは、よくわかったよ
『大嫌い』
そう言われたあの日に
だから
俺はそれを変えたい
自由に、してやりたい