大キライ。
俺は、今まで俺が嫌いだったことを
あの子に向けてしているのか
「一目惚れって、いいね」
「……」
もし君が、唯があの子の大事な友達なら
俺は唯に、苛まれると思った
なのに君は、なんで笑ってそんなことを言うんだ
「一目惚れって、びびびって何か来るんでしょ?それってすごいよね、一瞬でこの人が運命の人だってわかるみたいな」
それを聞いて俺は少し驚いて
そして、そんな考え方もあるんだと
そうか
一目惚れは、まだ何も知らないのに簡単に好きになるということじゃなくて
運命を
感じると
「…なんか、ありがとう」
「え?」
「俺、一目惚れしてよかった」
辺りはもう一面夕焼け色に染まって
道に伸びる真っ黒な影さえも、赤く光って見えた
「好きになって、よかった」
まるで、初めてあの子と逢ったときのあの想いのよう