大キライ。
「はぁ?!お前、栞ちゃん知らねぇの?!」
瑞穂 栞(ミズホ シオリ)
それが、ペンを拾ってくれた子の名前だった
「そんな有名なのかよ?」
「当たり前だろ?!栞ちゃんはこの学校の姫だよ!」
と、同じクラスでいつもつるんでる奴らが口々にそう言った
姫……
まぁ、あれだけの美少女だったしな
今まで知らなかった俺の方がおかしいのか
「お前…まさか栞ちゃん狙ってんの?」
「ん、まぁ」
「やめとけって、アレは高嶺の花だぞ」
なんなんだこいつら
その目は…お前らも狙ってんだろーが
「好きになっちゃったんだから仕方ねーじゃん」
「お前なぁ、まず栞姫は基本男子と喋んねーから!」
は……?
男子ニガテ…?
そーいや、ペン拾ってくれたときも
一言も喋ってなかったな…
「でも、声もめっちゃ可愛いらしい!」
「マジか」
それは、聞いてみたい
「それと、山田 唯(ヤマダユイ)って女と山田 聖(ヤマダセイ)って男」
少し怪訝な顔をして言うタケル
「ソイツら双子が栞姫の騎士してんだよ」
は……?
ナイトって……まじかよ
「幼馴染らしい。栞姫は常にソイツらに引っ付いてて…まぁ、そんなとこも可愛いんだけど♪」
「お前らあんま"可愛い"言い過ぎ」
「そんな恐い顔すんなって」
いや、恐い顔したつもりは無いけど
「まぁ、騎士が男も女も近づけねーよーにしてるってわけだ」
女も?
つーかその聖って奴は絶対に瑞穂栞のこと好きだろ
「つか、聖って奴とは普通に話すわけ?男なのに」
「そーなんだよなー」
まさか、もうソイツとデキてるんじゃ…
だったら奪うまでか
まぁ、それはいいとして。
問題はどうやって近づくかーー