大キライ。
昼休み
いつも山田たちは、教室で過ごす
瑞穂栞と一緒に。
そうだ
今まで
聖がいるから彼女に近づけないと
決めつけ諦めていたけど
それがおかしかった
俺が彼女と関わるかどうかは聖が決めることじゃない
彼女が
瑞穂栞が
決めること
勢いよく教室のドアを開けると
そこにいたそのクラス奴らから一斉に注目を浴びた
そしてその中には
3人も
ちゃんといた
俺は迷うことなくその3人がいる場所へ
彼女が
いる場所へ
「…瑞穂さん!」
周りから注目は絶えず続いていたけど
そんなの気にならなかった
ただもう
逃げも隠れもしないと
聖がいようが何だろうが関係ない
俺は真っ向からぶつかっていく
全力で
君と向き合う
「ふざけんな」
だけど
こいつが
聖が、黙っているはずはなかった
「出ていけ、今すぐ」
俺に向けられる視線も態度も相変わらず
というか、前にも増して酷くなっている
それでも俺は
負けたくなかった
「俺は瑞穂に話しかけてるんだ」
聖を睨み返して
そしてまた彼女に向き直って
「話したいことがあるんだけど」
真っ直ぐにその瞳を見て
言った
つもりだった
一瞬、目が合ったんだ
だけどその目は
花が枯れて下を向くように
呆気なく、そらされた