大キライ。
「ごめん。山田聖ってヤツ呼んでくれる?」
俺は、ドアの近くにいた男子にそう言った
言われた男子はすぐに聖を呼んでくれて、聖が俺を見る
少し首を傾げながら、聖は俺の元へとやって来た
「アンタ誰?」
初対面でアンタって…
俺、本当にコイツ嫌いかも
「俺は春川湊って言うんだけど…
「何か用?」
む…
何なんだよコイツ
本気で感じ悪い
「用っつーか
「栞だろ」
ギクリと
音になって聞こえてしまったかもしれない
それでも、なんとか平然を装おうとした
「…は、何が?」
「よくいるんだよ。お前みたいな、まず俺に近づいて栞に近づこうって奴」
ナイスな考えだと
思っていたのにそれはみんな同じだったようで
なんだよ
もう見破られてんじゃん
なら
仕方ねーな
「そうだよ、俺は瑞穂栞が好きだ」
そう言った俺の言葉は
思ったより大きくて
「…え、……今の聞いた?」
「……公開告白?」
「あれって違うクラスの春川って奴だぜ」
クラス中に響き渡っていた
…そんなことより
俺は、さっきまで周りに花が咲いていたはずの場所を見る
そこには
顔を真っ赤にして下を向いている
…瑞穂 栞
やべぇ、かわいい…
じゃねぇ!
え、今の……
聞かれてたよな?!
瑞穂 栞はこっちを見向きもしない
その方ばかりに気を取られて
俺は
目の前の奴を忘れてた