大キライ。

「おーい、湊ー。元気かー」


「ダメだコイツ。さっきからずっとこれ」


「アホだよなー、栞姫に公開告白するとか」


「しかも"大キライ"とか言われたらしー」


「まじ？あーーでも栞姫になら一回言われてみてーわ」


「お前Mかよ……まぁ、声聞けただけでもすげーよな」


「なー！コイツ羨ましすぎんだろ」





「…っだー！！！うるせーお前ら！」



「おー、生き返った」


「殺すぞ」



そう言って、とりあえず目の前の田中に蹴りを入れる





好きなやつに嫌われるのに



いい事なんてあるわけない





「はぁー…」



そう言ってため息をひとつ



すると、驚いたように一斉に俺を見る奴ら




目を見開いて





「……なんだよ」



「いや、だって…お前本気なの？」



「は？当たり前だろ！姫だろうが高嶺の花だろうが関係ない」



「そうじゃなくて、お前って…女なら誰でもいーんじゃねーの？」



「はぁ？！」




おいおいマジで



コイツらの俺に対するイメージって何なんだ




「だって今まで来るもの拒まずだったし」



「なぜかモテるし」




モテててんのかは知らねーけど



それを聞いて今初めて




そーゆー風に見られてもおかしくないことを今までやってきたことに



気づいた




けど


今は


「本気だよ…」



今は、違う



「…………」




あー何言ってんだろ俺



かっこ悪ぃ




またコイツらに、馬鹿にされると思って次の言葉を待っていたら



それは意外なものだった





「…じゃー仕方ねーな」



「……は？」



何が






「協力してやりますか！」





……なんなんだろう



本当に




第一お前らも狙ってたんじゃねーのかよ






「まかせろ」



その言葉と



それぞれの自信ありげな顔が





頼もしいような



けどすごーーく






………不安。