ふんわり姫様とつめたい王弟殿下
えっ
「あの、お父様?…これ…」
私は驚きのあまり震える手をお父様に向けた。
「あぁ、マリーから頼まれてたんだ。
あの子が結婚する時に渡して、と。」
そういってやさしく笑う
「じゃあ、じゃあこれ私が貰っていいの?」
「あぁ、それはお前のものだ」
信じられないわ!
小さい時からお母様の指輪は憧れだった。
でも、こんなのお母様は一生くれないだろうと思ってた。
それくらいお母様はその指輪を大事にしてたもの。
「ローザ」
嬉しさを噛み締めていると、お父様の声がかかった。
「っはい。お父様」
「お前はマリーの願いを叶えるのか?」
いつになく真剣なお父様。
「当たり前よ。だって、、
『冬の国との橋渡しを貴方がやり遂げて
そして、春の国の花をあの寒い冬の国に咲かせて。』
って言われもの。」