ふんわり姫様とつめたい王弟殿下



「でも、マリーの果たせなかった願いを無理にお前が叶えなくともよいと思うぞ」


「お父様。
違うの。お母様は昔、色んな国を回ってきたでしょ。それで、聞いたの。冬の国には花が咲いてないこと。だから私、咲かそうと思ったの

それにね、最初、お母様の橋渡しの願いは叶えられるかどうか分からなかったけど、縁談の話が来てこれならお母様の願いを叶えられると思って嬉しかったわ。」


「…ローザ、お前…」

目を開き、なにかを重ねるようにして私を見るお父様。


「だから、お父様心配しないで。
必ずお母様の願いを叶えて、冬の国でも幸せになってみせるわ」

そういってふんわり笑うと


「…そうか。お前はマリーの子だから大丈夫か。」


「うん。それに私の力は皆より強いから冬の国でも花を咲かせられると思うの」








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