ふんわり姫様とつめたい王弟殿下
そういって私は天井に向かってあおぐように手を降った。
すると空中に緑色の光が浮かび綺麗な桜色の花びらが舞い落ちてきた。
「ねっ?お父様、私のこの力ならできと思うでしょう?」
ニッコリと笑っていうと、お父様は呆れたように笑い返してきた。
「…ハァ、そうだな。
お前の力はマリー譲りで強いからな。」
「えぇ。でもまだ、お母様みたいに大きな桜の木は出せないの。」
悔しいから、何度も練習したけどダメだった。
「当たり前だ。
ローザくらいの大きさの桜の木だけでも、この国の大人がだせるか分からないくらいなんだぞ
それでなくとも、お前はこの国一番力が強いんだ。焦らずゆっくりだぞ。」
「は~い。では、私は失礼します。」
ペコッとドレスの裾をあげて一礼すると、お父様は満足そうに笑ってくれた。