ふんわり姫様とつめたい王弟殿下
「そうらしいな、じゃないですよ!
レンハルト様の奥方様になる方ですよ!
しかも、春の国の姫君といったら花の女神のような方だというじゃないですか!!」
だから、どうした。
そんな意味を込めて、視線を送るとソンファは
いきなりため息をついた。
「他人事みたいにしないでくださいよ。
ご自分のことなんですから。」
やれやれといったふうに首をふるソンファを無視し、仕事を始めようとすると仕事部屋のドアが勢いよく開いた音がした。
驚いてドアのほうを見ると、この国の王であり
俺の兄であるレオンが馴染みの大臣をつれてドアの前に立っていた。
「レンハルト~明日のことなんだけどね~!
ほら、フローラ王国の姫君のことだよ!!」
国王とは思えない童顔の顔。
俺が兄っていっても信じる人のほうが多い気がするな。
「ちょっと聞いてるの!!レンハルト!!」
「聞いてるわけないでしょう。見てください
陛下。このボッーとしたお顔を」
失礼な。それでも大臣か
「聞いている。春の国の姫君の話だろ」
「そうそう!明日来るから仲良くしてね!!
せっかく無愛想な弟のためにあのふんわり姫を相手にしてあげたんだから。」