墜ちる絵の具は青 [短]
突然、機内が揺れ始めました。
きっと急降下して
目標に向かい始めたのでしょう。
私はとっさにアンナちゃんを
守るように抱き締めました。
「大丈夫、大丈夫。
このスケッチブックあげるから
少しだけ我慢してね。」
「…うん、ありがとう。」
アンナちゃんは強ばった顔で
スケッチブックを手に取りました。
私は夢が叶ったのだから
もう大丈夫。
せめて夢を追い掛ける
この小さい女の子、
私の夢を叶えてくれた女の子だけは
どうか助けてあげてください。
私は強くアンナちゃんを抱き締めた。