私に恋愛は必要ない!!
ファーストフード店で

私とその男子生徒はその辺のファーストフードのお店に入った。

「いらっしゃいませー!」

ん?この声聞き覚えがある。

「お兄ちゃん!?」

「うぉっ!妃じゃん!」

そこにいたのは西條悠斗。うちの兄だった。見た目はチャラいがこれでも兄が通っている聖修高校では十番以内に入っている。こんな奴より馬鹿な私はなんなんだ!

「え!?なんでいるの!?」

「おまえこそなんでいるんだよ!しかも、おっ、おまえ男ずれか!?」

イヤイヤ、お兄ちゃんに言われたくないし!!!実はこの男、女遊びが激しいのだ!!いっっつもいえに女つれこんであそんでるくせに!このたらしが!愚痴を脳内で呟いていると、

「あっれ〜?妃じゃん〜」

「お姉ちゃん!?」

私の姉。西條優。お姉ちゃんも頭がいい。そして可愛い。

「優!聞いてくれ!ついに妃が男遊びを...!」

だからお前に言われたくねえよ!てか、そういうのじゃないし!!

「え?そうなの?妃もそういう年頃になったのね」

勝手に話進んでる!?もう!この人たちは...!
イライラが止まらない中、腕を掴まれた。

「おい...。まだかよ...」

あ、忘れてた。私はこいつを連れて来たんだった。

「ちょ、お兄ちゃんたちどいて!あと、そういうのじゃないから!勘違いすんなバカ!」

ずかずかと兄と姉の間を通った。
あぁ、めんどくさい!

目の前の光景。それはテリヤキバーガーを両手で持って口の中にほうばっている男子生徒の光景だ。
美味しそうに食べるなぁ〜
そう思いながらぼぉーっと見ていた。ってかどんだけたべりゃ気がすむんだよ!財布の中空っぽなんっすけど!?意味わかんねーよ!大体十個人におごらせますか!?
そんなことをぐちぐち思っていると、食べ終わったようだ。早いな、おい。

「おい...ありがとな...」

えっ!今この男お礼言った!?まさか、こんな不良みたいな奴からお礼言われるなんて思ってもいなかった。

「あ、あのさ。なんであんな所でボロボロになってたの?」

ちょっと興味があったので、勇気を出して聞いてみた。

「あぁ...十人くらいとケンカしたからな」

えっ、ケンカ?!やばい奴だよね!?
ってか、腕ケガしてるし!

「あ、あのさ、腕のケガ大丈夫?」

「あ、これ?いつものこだし大丈夫じゃねーの...?」

いつものことなの!?うぉいうぉいうぉい!やばいやばいやばい!本当にこの人大丈夫なの!?

「...でもさ。助けてくれたのはお前だけだ...」

それお前が足掴んだからだろうが!

「いつも足掴んでも大声だしたり...無理やり振り払う奴ばっかだったんだよ...」

いつも足つかんでるのかこの人...!でも、悪い人じゃなさそうだなぁ...。

「なぁ...。今日、ありがとな...。俺すげぇ助かった...」

そう言って帰ってしまった。
あ、名前聞いてない。あと、廊下でぶつかったかどうかも。まぁもう会うことないか。
その後、私もそのまま家に帰った。
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