私に恋愛は必要ない!!
不良再び

次の日のお昼休み。

「ってことがあったんだよ」

私は昨日の出来事をルナに話した。ルナは笑っている。

「それは大変でしたね。それにしても、頭からこけるとか最高!」

こいつめぇ...。他人事と思いやがって...。こっちは大真面目なのに!

「で、ここの学校の人なんでしょ?」

「あ、うん。たぶんだけど」

「そっか。探してみる?」

「えっ!?いいよいいよ!気になんないし!」

「だよね」

ルナは笑いながら言った。
あの不良にもう関わりたくないと思った。どうせあんなの私よりバカで最下位独走中なんだよ!そんな奴に私の青春はやらん!
そんなアホなことを考えてる時だった。

「ね、ねぇキサキ。な、なんかさ。ずっとこっち見てるんだけど。あの人」

ルナが指した方向を見て私は絶句した。

「えっ!あの人!!」

そこには昨日の不良が立っていた。そしてこっちを睨みつけている。怖すぎるっす...。

「何?知り合い?」

「いや、昨日の不良!」

「え?あっ!ちょっと!」

そう言った後、私はルナをおいてダッシュで逃げた。もう関わりたくないんだよ!そう思っているのに、なんか後ろにいるんですけど!?
後ろを見ると不良が走って来ていた。怖い怖い怖い怖い!!でも私をなめるなよ。これでも二年女子の中では足は一番速かったりするんだよ!
私は精一杯走った。
だが、考えが甘かった。
私が思っていたより不良は速かった。男子にはやっぱり...負けるなぁ...。そしてあっけなく捕まった。どっちも息が整ってないなか話し始めた。

「なんで、逃げんだよ...」

「い、いやぁ、なんかまたされるのかと思って...」

怖い!!私の今の状況は、後ろに壁。前に不良。という状況だ。カツアゲかよ!

「っ...別になんもしねーよ。今日はお前に会うために学校来たもんだしよ...」

「は、はぁ...。で、ご用件はなんでしょ
うか?」

この状況から早く抜け出したい!泣きたいよぉ...!

「い、いや、昨日のお礼にさ。どっか行きてぇ所連れて行ってやるよ...」

「え?」

こいつ今何て言った?

「だ、だから、好きな所に連れてってやるよ!」

まじで!?この不良が!?

「で、どこがいいんだよ...」

え?え?これって普通に言っていいのかな?どうしたらいいんだろ...。

「早く決めろよ...」

「え、えっと...じゃあ、映画館で」

言ってしまったー!特に見たいのとかないんだけど、なんとなく言ってしまった...。

「んじゃ、決まりな...。日曜の十時頃。駅前の時計台んとこで待ってるからな...」

そう言って不良が出ていったが、次は私が追いかけた。

「待って!!」

私は不良の腕を掴んだ。不良すっごい睨んでます。

「あ、あのさ。名前。聞いてなかったよね?何?」

「...。」

無言!?あ、こういう時は自分から名のったほうがいいのか!んー?なんか違う気がするけど...。ま、いっか!

「私の名前はね!西條妃って言うの!だから、はい、名前教えて?」

「...五十嵐柊」

お!言った!じゃあ、続けて聞こうかな?あ、でもなんか機嫌悪そうだな...。映画の時でいっか!

「じゃあ、柊?日曜日楽しみにしてるね!!」

私はそう言って教室に戻った。ぶつかった時のはまぁ気になるから次聞くか。ちょっと楽しみかも。
私は廊下をスキップしながらそんな事を考えていた。





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