記憶の本〈母の中の私〉
病院。
次の日授業が終り、一度帰宅してから綾野と待ち合わせた。
綾野が昨日、「隣町の病院にしようね、近くだと誰に会うかわかんないから!」そう言ったので、隣町の小さな病院に決めた。
ネットで検索した病院なのだが、着いてみるとあまりにも小さくてちょっと心配になった。
私が入り口の前で躊躇していると、
「行くよ!覚悟しな!」
綾野はそう言って、私の手を引っ張りながら病院に入って行く。
保険証や問診の紙を出し、受付を一通り済ませると名前を呼ばれるまで待つことにした。
待っている間ソファに座っていたのだが、並んで座った待合室の茶色いソファが私にはなにか凄く冷たく感じ、少し体が震えている自分がいた。
綾野は、震えている私に気づいたのかそっと手を握ってくれた。
握ってくれた綾野の手は凄く暖かくて、少しずつ私の心は落ち着ついていく。
しばらくすると、看護師さんの「林さーん。」と呼ぶ声が聞こえた。
その看護師さんの声で、私の体は一気に固まる。
固まってしまった私の手をギュッと握り、
「大丈夫!ここで待ってるから行っておいで。」
綾野は、優しい笑顔で私を送り出してくれた。
私は緊張しながらも、真っ直ぐ綾野を見つめて、
「うん!」
そう言うと、診察室に向かった。
綾野が昨日、「隣町の病院にしようね、近くだと誰に会うかわかんないから!」そう言ったので、隣町の小さな病院に決めた。
ネットで検索した病院なのだが、着いてみるとあまりにも小さくてちょっと心配になった。
私が入り口の前で躊躇していると、
「行くよ!覚悟しな!」
綾野はそう言って、私の手を引っ張りながら病院に入って行く。
保険証や問診の紙を出し、受付を一通り済ませると名前を呼ばれるまで待つことにした。
待っている間ソファに座っていたのだが、並んで座った待合室の茶色いソファが私にはなにか凄く冷たく感じ、少し体が震えている自分がいた。
綾野は、震えている私に気づいたのかそっと手を握ってくれた。
握ってくれた綾野の手は凄く暖かくて、少しずつ私の心は落ち着ついていく。
しばらくすると、看護師さんの「林さーん。」と呼ぶ声が聞こえた。
その看護師さんの声で、私の体は一気に固まる。
固まってしまった私の手をギュッと握り、
「大丈夫!ここで待ってるから行っておいで。」
綾野は、優しい笑顔で私を送り出してくれた。
私は緊張しながらも、真っ直ぐ綾野を見つめて、
「うん!」
そう言うと、診察室に向かった。