記憶の本〈母の中の私〉
「由美、ところで綾野ちゃんの好きな花知ってるの?」
「向日葵!」
私は、お母さんの問いかけに即答する。
綾野は、小さい頃から向日葵が大好きで、夏休みにはいつも一緒に育てていたのでよく知っていた。
「向日葵かぁ、向日葵なら駅前のお花屋さんに多分あると思うよ。」
そう言ったお母さんは、時計を指差しながら、
「それより由美、用意しなくて良いの?そろそろ四時になるけど。」
「えーっっ!」
指差された方向に目を移すと、時計がしっかりと三時五十五分を示していた。
「やば〜い、遅刻する!」
私はそう叫ぶと、慌てて階段を駆け上がり、もうダッシュで用意をした。
一番のお気に入りのピンクのワンピースに、白い花柄のカーディガンをはおり、髪もおろして、慌てながらも鏡の前に立つ。
「よし、可愛くなった。」
全身チェックをし終ると、またもうダッシュで駆け下りた。
「行ってきまーす。」
玄関から大きな声で私が叫べば、
「気を付けてね、車に注意するんだよ、それと綾野ちゃんに―――」
リビングから、お母さんが何か言っていたが最後まで聞き終わらないうちに、
「わかってるって、じゃあ行ってきまーす。」
そう言うと、私は自転車に飛び乗り、猛スピードで駅前のお花屋さんに向かった。
「向日葵!」
私は、お母さんの問いかけに即答する。
綾野は、小さい頃から向日葵が大好きで、夏休みにはいつも一緒に育てていたのでよく知っていた。
「向日葵かぁ、向日葵なら駅前のお花屋さんに多分あると思うよ。」
そう言ったお母さんは、時計を指差しながら、
「それより由美、用意しなくて良いの?そろそろ四時になるけど。」
「えーっっ!」
指差された方向に目を移すと、時計がしっかりと三時五十五分を示していた。
「やば〜い、遅刻する!」
私はそう叫ぶと、慌てて階段を駆け上がり、もうダッシュで用意をした。
一番のお気に入りのピンクのワンピースに、白い花柄のカーディガンをはおり、髪もおろして、慌てながらも鏡の前に立つ。
「よし、可愛くなった。」
全身チェックをし終ると、またもうダッシュで駆け下りた。
「行ってきまーす。」
玄関から大きな声で私が叫べば、
「気を付けてね、車に注意するんだよ、それと綾野ちゃんに―――」
リビングから、お母さんが何か言っていたが最後まで聞き終わらないうちに、
「わかってるって、じゃあ行ってきまーす。」
そう言うと、私は自転車に飛び乗り、猛スピードで駅前のお花屋さんに向かった。