記憶の本〈母の中の私〉
偶然。
駅前に近づくにつれて、町はだんだんと活気づいてくる。
夕飯の買い物をする人達で、ちょうど混雑する時間帯だ。
その人混みを掻き分け、私は自転車でお花屋さんまでの道のりを急いだ。
お花屋さんに着くと、店の前には色とりどりの綺麗な花が、誇らしげに並んでいる。
私は、並んでいる他の花には目もくれず、ひたすら向日葵を探したが、いっこうに見当たらなかった。
仕方がないので、私は店員さんに向日葵の所在を聞いてみた。
店の奥から出てきた店員さんは、
「向日葵ですか?今時期じゃないからねぇ・・、あっ、ちょっと待ってて!」
そう言って、そそくさと又店の奥に戻って行ってしまった。
「時間ないのに・・。」
時計をチラチラ気にしながら私が待っていると、
「これじゃぁ・・、駄目ですか?」
店員さんが遠慮がちに、手に花束を持って戻ってきた。
その店員さんの手の中には、ピンクの小さな薔薇の花と、その薔薇の花に寄り添うような白い霞草、そして太陽みたいな黄色い向日葵が可愛らしく束ねてある花束があった。
「うわぁ綺麗・・、それでいいです、いやむしろそれがいいです!それください!!」
かなりの勢いで、私が言ったので、店員さんは圧倒されながらも、
「実はこれね、電話で注文が来て作ったんだけど、受取りの時間になっても来ないから、どうしようかと思ってたの・・、本当にこれで良いの?」
「はい!」
私は笑顔で答えた。
私が一目見て気に入ったんだから、綾野も絶対気に入ると思ったからだ。
私は店員さんにお礼を言うと、会計を済ませ急いで店の外に出ようと振り向いた瞬間、誰かにぶつかった。
夕飯の買い物をする人達で、ちょうど混雑する時間帯だ。
その人混みを掻き分け、私は自転車でお花屋さんまでの道のりを急いだ。
お花屋さんに着くと、店の前には色とりどりの綺麗な花が、誇らしげに並んでいる。
私は、並んでいる他の花には目もくれず、ひたすら向日葵を探したが、いっこうに見当たらなかった。
仕方がないので、私は店員さんに向日葵の所在を聞いてみた。
店の奥から出てきた店員さんは、
「向日葵ですか?今時期じゃないからねぇ・・、あっ、ちょっと待ってて!」
そう言って、そそくさと又店の奥に戻って行ってしまった。
「時間ないのに・・。」
時計をチラチラ気にしながら私が待っていると、
「これじゃぁ・・、駄目ですか?」
店員さんが遠慮がちに、手に花束を持って戻ってきた。
その店員さんの手の中には、ピンクの小さな薔薇の花と、その薔薇の花に寄り添うような白い霞草、そして太陽みたいな黄色い向日葵が可愛らしく束ねてある花束があった。
「うわぁ綺麗・・、それでいいです、いやむしろそれがいいです!それください!!」
かなりの勢いで、私が言ったので、店員さんは圧倒されながらも、
「実はこれね、電話で注文が来て作ったんだけど、受取りの時間になっても来ないから、どうしようかと思ってたの・・、本当にこれで良いの?」
「はい!」
私は笑顔で答えた。
私が一目見て気に入ったんだから、綾野も絶対気に入ると思ったからだ。
私は店員さんにお礼を言うと、会計を済ませ急いで店の外に出ようと振り向いた瞬間、誰かにぶつかった。