記憶の本〈母の中の私〉
声をかけられた店員さんはひどく驚いた顔をしていたが、でもすぐに申し訳なさそうな顔つきに変わった。
「すいません・・、お約束の時間になっても取りにいらっしゃらなかったのでキャンセルかと思い、他のお客様に売ってしまったんですよ・・・。」
店員さんはそう言うと、遠慮がちに私の方を指差した。
「えーっっ!これですか?!」
目をパチクリさせながら、花束と店員さんを交互に見ていた私を見た翔ちゃんは、一気に笑いだす。
「由美ちゃん、そのリアクション面白すぎ!」
大笑いしている翔ちゃんに、苦笑いを浮かべながらも、どうしようという気持ちが私の心を支配し、私は一人慌てた。
「これって、綾野へのプレゼントですよね、あーっ、どっどうしよう・・」
一人あたふた慌てる私に、やっと笑いが治まった翔ちゃんは、
「いいよ、由美ちゃん!そんなに慌てないで、時間通りに来なかった俺が悪いんだし、その花束は由美ちゃんのだよ!」
そう言ってニッコリ笑うと、私の頭をポンポンと二回叩き、店員さんに頭を下げお店を後にする。
私も店員さんに頭を下げると、翔ちゃんの後を追うようにお店を出た。
「すいません・・、お約束の時間になっても取りにいらっしゃらなかったのでキャンセルかと思い、他のお客様に売ってしまったんですよ・・・。」
店員さんはそう言うと、遠慮がちに私の方を指差した。
「えーっっ!これですか?!」
目をパチクリさせながら、花束と店員さんを交互に見ていた私を見た翔ちゃんは、一気に笑いだす。
「由美ちゃん、そのリアクション面白すぎ!」
大笑いしている翔ちゃんに、苦笑いを浮かべながらも、どうしようという気持ちが私の心を支配し、私は一人慌てた。
「これって、綾野へのプレゼントですよね、あーっ、どっどうしよう・・」
一人あたふた慌てる私に、やっと笑いが治まった翔ちゃんは、
「いいよ、由美ちゃん!そんなに慌てないで、時間通りに来なかった俺が悪いんだし、その花束は由美ちゃんのだよ!」
そう言ってニッコリ笑うと、私の頭をポンポンと二回叩き、店員さんに頭を下げお店を後にする。
私も店員さんに頭を下げると、翔ちゃんの後を追うようにお店を出た。