記憶の本〈母の中の私〉
暫くして、綾野と翔ちゃんもリビングに入ってきた。
翔ちゃんは、私が座っているソファの所までやって来ると、
「由美ちゃんの隣、座らせてね。」
私が返事をする前に、ストンと私の隣に腰を降ろし、ニコッっと笑った。
私は翔ちゃんの隣でドキドキしていたが、ふと視線を感じ振り返って見ると、キッチンの方からこちらを見ていた綾野と目が合った。
目が合った途端、慌てて目を反らした綾野に、違和感をおぼえた私だったが、すぐお誕生日会が始まってしまい、楽しくてすっかり気にならなくなっていた。
綾野のお母さんが作った料理は、どれもこれも美味しかった。
私は勧められるまま、チキンやケーキ、デザート全てたいらげる、気づけばお腹ははち切れる寸前になっていた。
私はちょっと休憩しようと思い、ベランダへ向かった。
ベランダの窓を開けると、心地いい風が私の頬を撫でる。
一つ大きく伸びをして、ベランダに寄りかかれば、私の背中越しに、皆の笑い声が聞こえていた。
翔ちゃんは、私が座っているソファの所までやって来ると、
「由美ちゃんの隣、座らせてね。」
私が返事をする前に、ストンと私の隣に腰を降ろし、ニコッっと笑った。
私は翔ちゃんの隣でドキドキしていたが、ふと視線を感じ振り返って見ると、キッチンの方からこちらを見ていた綾野と目が合った。
目が合った途端、慌てて目を反らした綾野に、違和感をおぼえた私だったが、すぐお誕生日会が始まってしまい、楽しくてすっかり気にならなくなっていた。
綾野のお母さんが作った料理は、どれもこれも美味しかった。
私は勧められるまま、チキンやケーキ、デザート全てたいらげる、気づけばお腹ははち切れる寸前になっていた。
私はちょっと休憩しようと思い、ベランダへ向かった。
ベランダの窓を開けると、心地いい風が私の頬を撫でる。
一つ大きく伸びをして、ベランダに寄りかかれば、私の背中越しに、皆の笑い声が聞こえていた。