記憶の本〈母の中の私〉
私の頭の中では、???が忙しくチカチカ点滅を繰り返している。

「ちょっ、ちょっと待ってください!今・・今頭整理しますから。」

パニック状態の中から、私は必死に言葉を絞りだす。

頭の中で点滅している???を払い退けると、私の頭の中のコンピュータが一気に起動し始めた。


・・・はい、整理しよう!

今私翔ちゃんに告白されたよね?

どお?・・って事は、付き合ってって事だよね?!

だから・・・つまり・・・

私の頭の中のコンピュータは、突然の事にあまりにも忙しく動き過ぎた性か、整理するのに時間がかかった。

で、コンピュータが出した答えは・・・。

「私も翔ちゃん好きです!」

真っ直ぐ翔ちゃんの瞳を見つめて言った私に、

「本当!!じゃ、じゃあOKって、付き合ってくれるって事だよね!」

「はい!喜んで♪」

翔ちゃんの太陽の様な笑顔に負けないくらい、私は満開の笑顔で答えた。

「やっ、やった〜!」

ガッツポーズをしながら、リビングに戻ると翔ちゃんは、

「綾野!やった、由美ちゃん付き合ってくれるって!」

そう叫ぶと、綾野の元へ一目散に走って行ってしまった。
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