シロクロ依存症
「目障り。消えて」
「な、何だこのメガネ…!?」
「お前!メガネ!ヒロさんに何て口聞いてんだ」
「地味メガネは引っ込んでな!オレ達はこのねーちゃんに用があるんだよ!」
真宏をものともせず、再び私を睨みつける男達。
……そりゃそうだよ。
だって真宏は正直地味だしメガネだし一見ダサいし、そんな奴が何かを言ったところでチャラ男達が怯むわけがない。
だけど。だけどね、
「聞こえなかった?」
真宏は本当は、とっても、
「目障りなんだよ。さっきから消えろっていってんだろうが。それとも何、消してほしいの?へえ、じゃあ望み通り消してやるから来なよ」
とっても、恐ろしいんだから……。
「あン?メガネ、誰に向かって口聞いてん…ゴフェ」
一瞬にして金髪頭の男が消える。
道に倒れ込んだ金髪に怯んだ赤髪が、次の瞬間には柵にめり込んでいた。
どこまでも軽やかで無駄のない真宏の動きに、息を呑む。