シロクロ依存症




「……これ見てわからない?君たちのやろうとしていることは凄く不毛。そして今度ふみちゃんに近づこうとしたら“コレ”だけじゃ済まないから」


何度見てもやっぱり慣れない。この威圧感。


「何だコイツ……」

「……チッ。邪魔しやがって」



そして憎々しげに立ち去るチャラ男達の背中が見えなくなると、私はへなへなと腰を抜かしていた。


呆然と座り込む私の隣に同じようにしゃがみ込んだ真宏は、「あのさ」とメガネの奥の瞳を細めて、



「僕のいない所で勝手にナンパなんてされないでくれないかな?」



と。少しだけ怒ったような口調を私にぶつける。


私はといえば怖かったのと安堵感と真宏が原因の激しい動悸により、しばらく思考がマヒしていた。


だから真宏の怒った顔を見て、意味も理解しないまま思わず「うん」と頷いていて。


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