【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「岡田くん、絶対私のことバカにしてるでしょ………」
「そんなことないですよ?先輩のこと尊敬してますし」
絶対ウソだ……岡田くんの表情から、私を尊敬してる雰囲気なんて感じられないもん!!
「岡田くんのバカ………」
「はいはい。後輩いじめてるヒマがあったら片づけしてください」
「うぅ………」
岡田くんの方が年下なのに、私、岡田くんに振り回されてる気がする……。
片づけが終わり、美術室を閉める。
「じゃ、僕が鍵戻しにいくんで」
「え、いいの?」
「はい、先輩は先に帰っててください」
岡田くんはそう言って職員室の方へ走っていった。
……さ、帰ろう。
帰る途中、私の頭には速川くんのことしかなかった。
今日話したことを思い出すと少しにやけそうになる。
……速川くん、私の絵好きって言ってくれた……。
「よし!絵描くの頑張るぞ!!!」
落ちかけている夕日に向かって叫んだ。