【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
教室に入ると、私に気づいた速川くんが私の席にやってきた。
「な、桜本。昨日の…さ。絵、もらえないかな?」
「へ………!?」
「いや、無理ならいいんだ!ほしいなって思って……」
嬉しい……速川くんがあんな絵を欲しいって言ってくれるなんて……。
「い、いいよ!あんな絵でよければ………」
スケッチブックから昨日描いた絵をちぎって、速川くんに手渡した。
「ありがとな!大事にする!」
「あ、ありがと………」
速川くんの爽やかな笑顔に見惚れていた。
自分の席に帰ろうとした速川くんがくるっと振り向いた。
「あ!今日も放課後、絵描くの?」
「う、うん!」
「了解!」
今日も放課後、来てくれるのかな……?
そう考えるだけで胸がドキドキする。