【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
―――放課後。
「速川ーカラオケ行こうぜ!」
「合コン参加しない!?」
速川くんは今日もみんなに遊びに誘われていた。
「………ごめん。今日、やりたいことがあるからさ」
速川くんはそう言ってまた断っていた。
やりたいことって……私の絵を見に来てくれるってこと、かな?
……って、私なにうぬぼれてるの!
さっさと美術室行こう!
私は逃げるように教室を出て、美術室に駆け込んだ。
「はぁ……っ、はぁ……っ」
「どうしたんですか、先輩。そんなに慌てて……」
先に来ていた岡田くんが不思議そうに私を見る。
「い、いや……なんでもないよ!」
「ふぅーん」
『ふぅーん』って………聞いといてそれはないでしょ!
まぁ、いいけどさ……。