【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる




すると―――



「桜本ーっ!」



美術室の外の廊下に聞き覚えのある声が響く。



「………っ!?」



この声は……速川くん!?



慌てて廊下に出る。



そこには、息を切らした速川くんがいた。



「速川くん……っ?」



「よかった。桜本、気が付いたら教室いなかったから焦った……」



わざわざ追いかけてきてくれたの……?



「先輩、お客さんですか?」



美術室から顔を出して岡田くんが言った。



「なるほどこの人が先輩の好きな……むふっ」



岡田くんの口を手で塞いだ。



もう!岡田くん言っちゃダメだよっ
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