【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「桜本が絵描いてるとこ、今日も見たいなって思ってさ」
「え……?」
私の絵を見に来るために、みんなの誘い断ってきたの……?
「ダメ……かな?」
「ううん!!全然大丈夫だよっ!ちょっと待っててね!準備するから……っ」
慌てて美術室に入った。
「先輩、慌てるとコケますよ」
「な……っ!大丈夫だってば!」
岡田くんにバカにされながらも準備をする。
どうしよう……今日は色鉛筆にしよう……!
スケッチブックと色鉛筆を持って美術室を出た。
「ご、ごめん、遅くなっちゃって……っ」
「全然遅くないよ。てか、そんなに慌てなくてもよかったのに」
「だって速川くんを待たせるワケには……!」
みんなの王子様を待たせるなんて無礼だよね!
「あはは、さんきゅ」
クスッと笑う速川くんにまた心臓が高鳴った。