【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「ごめん!今日は先生に呼ばれてるから行けないや」
速川くんが申し訳なさそうに謝る。
「そっかぁー残念」
「また行こうね」
残念そうにみんな、教室から出ていく。
速川くんは爽やかで優しくて、女子からも男子からも人気。
地味な私にとっては遠い、神様のような存在だ。
「うん……もう、別世界の人って感じ」
私もみんなとあんな風に仲良くなりたいな……なんて思うけど、人と話すのが苦手だから無理に近い。
速川くんは、私の憧れだ。
「じゃ、私帰るね」
「う、うん!じゃあね、友菜」
教室を出ていく友菜に手を振った。
私も早く部活行こう……。
机の中の教科書類をカバンに詰め込み、肩にカバンをかけて教室を出て行こうとした。