【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
家に帰り、自分の部屋に入ってスケッチブックを開いた。
「色塗り……しよう」
色鉛筆を用意して、色を塗り始めた。
丁寧に塗らないと……!
でもなんだか、塗っているうちにさっき、速川くんに抱きしめられたことを思い出してしまって、なかなか集中できない。
あぁ……塗ってると恥ずかしくなってくるよ……。
「速川くんには悪いけど……明日、学校で塗ろう」
明日、放課後また付き合ってもらおう……かな?
そうしたら2人の時間が増えるし。
顔と髪の毛を途中まで塗ってからスケッチブックを閉じた。
速川くんは……なにを考えてたんだろう?
もし速川くんが私のことを好きになってくれたとしたら……どれだけ幸せなことか。
でも……人気者の速川くんが私みたいな女の子、恋愛対象として見てないに決まってる。
うぬぼれて、後で落ち込むぐらいなら期待しない方がいいよね。
もしかしたら私の聞き間違いかもしれないし!
「もう寝よう………」
考えるのに疲れて、私はそのまま眠りについた。