【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「じゃあ、試合はじめるよー!」
ピッ―――
先生の笛の音でジャンプボール、そして試合がはじまる。
えっと……私はここにいればいいんだよ、ね?
言われた通りの場所に立つ。
速川くんがらパスが回ってくるんだよねっ
ちゃんと速川くんを見とかないと……!
速川くんは風のようにコート内を見事なドリブルで走る抜けていく。
すごい……かっこいい……!
見惚れるほどにかっこよかった。
「桜本っ!!!」
「ふぇ!?」
速川くんが私を呼んで、ボールをパスしてきた。
そのときだった。
ボールをキャッチしたものの、左手の薬指に小さい痛みが走った。
「う………っ」
でも……今はそんなことを気にしてられない!!!
私は痛みを我慢して、同じチームの鈴木さんへパスを回した。