【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「………っ」
どうしよう……私、今、顔真っ赤かも……っ
速川くんにバレてないかな……?
「……よし、できた。本当ごめんな」
「ありがとう……!」
不器用とは思えないほどキレイに湿布と紙テープが巻かれていた。
「色塗り……できる?指痛むなら色塗りできないよな……」
速川くんはすごく心配そうに私の手を見つめる。
「いや、大丈夫!左手だもん!私、右利きだから!」
「そっか。ならよかった」
ホッとしたように笑顔になった。
「桜本に絵描いてもらうのすっげぇ楽しみだったから……」
「え!?あ、ありがとう!期待通りの絵になるかわかんないけど……頑張って速川くん描くね!」
こんなに私の絵を楽しみにしてくれるなんて嬉しい……!
速川くんはやっぱり優しいなぁ……。
「おう!じゃ、戻るか。そろそろ1時間目終わるけど」
「うん!」
そして私と速川くんは体育館へ戻った。