【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「はぁ?アンタは引っ込んでなさいよ!!!私は桜本さんに話してるの!」
「芽依はアンタたちみたいに、速川くんに色目使ったりしないから。速川くんに構ってもらえないからって、芽依をいじめないでくれる?」
友菜……。
すると、女の子数人の1人が、蹴った私の机から出たスケッチブックを拾った。
「なにこれ?スケッチブック?そーいや、桜本さんって美術部だっけ?」
「そ、それは……っ」
大切な……スケッチブック。
開かないで……っ
「美術部って地味よねー。地味な桜本さんが速川くんと釣り合うワケないよね~」
「………っ」
わかってるよ……私が地味なことぐらい。
私が……速川くんとは釣り合わないことぐらい。
それでも……速川くんが好きなの。
好きで好きで仕方がないの。
たとえ想いが届かなくても、一緒にいられるだけでいいの……。
やっぱり……直球で『釣り合わない』って言われると………わかっててもツラい、かな。
思わず、涙が出そうになった。
わかってても……やっぱり好きって気持ちは止められないもん。