【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる





「だってさ、自分の想いを伝えないまま、3年生になって、高校卒業して……ってなんか寂しくない?それなら自分の気持ちを、たとえ付き合えなくても伝えた方がすっきりするし、いい思い出になると思うけど」



「いい思い出……」



「だから、フラれることなんて恐れないで、自分の気持ち伝えたら?」



たしかに……今のまま卒業して大人になっていくのは、寂しい気がする。
せっかく速川くんを好きになったんだもん。



この気持ちを、大切にしなきゃ。



「友菜……私……っ、今描いてる、速川くんの絵が完成したら……速川くんに告白する…!」



「芽依……!頑張って!!私、応援してるからね!」



「うん……っ!」



私は決心した。



あの絵が完成したら、速川くんに告白しようと。



「頑張るよ、私!!」



フラれても絶対に後悔しない。



だから……神様。



私に少しでいいから、勇気をください。
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