【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「先輩、鋭いんですよね?……なら、簡単ですよ」
「わ、わかりません………」
私、超能力者でもないのに、そこまでわかるワケないじゃん!!!
「へぇ~……ここまでしてるのに気づかないなんて、相当の鈍感じゃないですか?」
「え……っそれって……」
もしかして岡田くんの好きな人は………。
「なんてね、冗談ですよ。先輩」
クスッと笑う岡田くんにホッとしたときだった。
「なにしてんの、後輩くん」
美術室に私の好きな人の声が響く。
「は、速川くん……っ!?」
「行くよ」
素早く私の腕を掴むと、私のスケッチブックと色鉛筆を棚から取って、美術室を出た。
着いた先は、教室だった。