【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる





「あの……速川く」



「はぁ~~……マジ焦った」



私が名前を呼ぶ前に速川くんが椅子に座りながら脱力した。



「え?」



焦った……?



「桜本があの後輩に襲われてるんじゃないかと」



「お、おそ……っ!?」



そ、そんな岡田くんが私を襲うなんて……!
まぁ、あの勢いだったら冗談でも襲ってきそうだったけど……!



「岡田くんは、私をからかってただけだよ」



「……いや、からかってるフリしてただけだと思うけど」



「え?」



たしかに……冗談だって言ったとき、少し寂しそうな目をしてたかも……。



「美術室行ったらあの後輩が桜本に覆いかぶさるようになってたから、ほんと焦ったんだからな……」



「ご、ごめんなさい……?」



これは謝るべきなのか?
でも、私を心配してくれたってことだよね?
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