【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「でも」
少し落ち込む私に岡田くんがまた口を開いた。
「先輩の素直なとこ、嫌いじゃないです」
「え……?」
今、“嫌いじゃない”って……。
「あー、もう、戸締りとか全部やっておきますから。早く帰ってください」
「あ、ありがとう……!じゃあね、岡田くん!」
返事はしてくれなかったけど、こっちをチラッと見てくれた。
色鉛筆を置いて、廊下で待っててくれた速川くんのもとへ。
「じゃ、帰ろうか」
「うん!」
実は今日から一緒に帰ることになった。
まるで夢みたい……。
外はもう日が落ちていて、真っ暗だった。
「なぁ、桜本」
「……?」