【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる





「そのときの桜本の楽しそうな顔が頭に焼き付いちゃって。それから桜本と話したいってずっと思ってて今日やっと話せたんだ」



「そう、だったんだ………」



知らなかったなぁ……見られてたなんて。
私、絵描いてると集中して周り見えなくなるしね。



「話してみたらすっごく話してて楽しい」



「………え?」



「俺、桜本の絵、好きだよ」



「……っ」



“好きだよ”って言われたのは私の絵なのに、なぜかドキドキが止まらない。
まるで自分が告白されたみたいにドキドキする………。



「これからももし良かったら絵、見せてよ」



速川くんのその笑顔に私は胸を打ち抜かれた。



私………速川くんを好きになっちゃった……。



自分の気持ちに気が付くまで、時間はかからなかった。



「じゃ、今日は俺、帰るな」



「う、うんっ!ばいばい!」



私は思いっきりぶんぶんと手を振った。
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