Polaris
結城さんが口を開いたことで、伊東さんと桜ちゃんの話が止まる。


「この子だよ」


伊東さんはそう言い、あたしの肩を抱き寄せる。


あたしはなんのことか、サッパリわからない。


結城さんはあたしのことを、上から下まで見てくる。


まるで、品定めされているようだ。


「い、伊東さん?」

「ミライにはまだ話していなかったんだが、協力して貰いたいことがあってね」


笑顔でそんなことを言われても、何のことだかわからない。


「失礼します。桜さん、お願いします」


そう、ボーイの子が桜ちゃんのことを呼びにくる。


桜ちゃんはまだこの席に居たかったようで、少し残念そうにボーイに連れて行かれた。

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