Polaris
あたし、何時間こうやって居たのだろう。


ベットから起き上がり、リビングに向う。


ソファには、隼人が脱いだであろうスーツの上着が置いてある。


お風呂場の方から物音が聞こえ、シャワーでも浴びているんだと思った。


あたしは隼人のスーツをハンガーに掛けようと手に取ると、隼人の携帯が落ちる。


あたしは落ちた携帯をポケットの中に戻そうと手を伸ばすと、携帯が震え出す。


こんな朝方に携帯が鳴るなんて、溝口店長だろうか。


そう思い、画面を見ると「恵美」と表示されている。


「えみ」そう言った、隼人の声を思い出す。


胸が押しつぶされそうな、気持ちになる。


クル、、シ、イ、、、。


あたしは携帯をポケットに入れ、始めにあった場所へと戻した。

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