Polaris
今あたしがお店を辞めると口にしたら、隼人は止めてくれるだろうか。


あたしは視線を隼人に向ける。


「なんだよ」


あたしの視線に気付き、そう言う。


「、、、ねぇ」

「なんだよ」

「隼人、、」

「だから、なんだよ」


あたしはもう一度、隼人のこと見る。


「、、、お店、、、辞めようかな?」


やっとの想いで、そう口にした。


隼人は少し驚き、ホッとしたような顔をした。


その隼人の反応に、胸がざわつく。


「お前が辞めたいと思うなら、辞めればいい」


そう、いつもの口調で言れた。


「、、そっ、、か」


あたしが欲しい言葉はそれじゃないんだよ、隼人。


あたしは視線を隼人から逸らした。

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