Polaris
オープンして10分。


dream(ドリーム)より、大きい箱(店内)なのに、満卓。


「面白い子だとは思っていたが、ここまでとはな」


征矢さんが俺に言う。


「ここまでやるなんて、正直俺も思ってなかったです」

「シュウ。ミライはまだやれるんじゃないのか。辞めさせる必要はないと思うが」


こんな風に見せつけられれば、誰だってそう思う。


征矢さんが言うように、あいつをまだキャストとして使えばいいのかもしれない。


そしたら、これからもあいつと一緒に居れる。


でも、それに「そうですね」と言えない俺は、未来のこと自分の物にしたいのだろう。


自分でも気付かないくらい、俺はあいつに夢中になっていたんだ。

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