Polaris
あたしはここdream(ドリーム)という、キャバクラで働いてる。


そして女の子たちがあたしの機嫌取りをしてるのは、あたしがここのナンバー1だから。


ナンバー1になったのは、入店して3ヶ月目のことだった。


その日から、ナンバー1の座を誰かに譲ったことなんて一度もない。


そしてこれからも、誰かに譲るつもりもサラサラない。




一度上に立った人間が落ちた後、また立ち上がることなんてこの世界じゃ、無理な話だ。


この地位を手放したら、あたしの価値なんて無くなってしまう。


誰も、あたしのことを観てくれなくなる。


今、こうやってあたしに機嫌取りしてる女の子たちなんてすぐだろう。


そんなことを考えてしまうあたしはひねくれてるのかもしれない。


周りに気付かれないように、ため息をこぼす。



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