Polaris
少ししてハナちゃんが、お店から出てくる。


それを見計らってあたしは歩き出した。


ハナちゃんは少し小走りに、あたしの横にやって来た。


「ミライさん。どこ行くんですか?」

「お店の前でキャッチなんかしても、新規のお客さまなんて来ないわよ」


お店から少し離れた所に来ると、他のお店のキャストやホスト達が通行に声を掛けている。


あたしは行き交う通行人の様子を伺う。


そして2人組みのサラリーマン達にぶつかって行った。


「あ、ごめんなさい!」


自分でぶつかって行ったくせに、白々しくそんな事を言う。


「お怪我とか、、、」

「いや、対したないから」


サラリーマンの男たちはあたしのことを上から下まで見る。


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