Polaris
あたしは、ゆっくりと2人の所に歩いて行く。


翔はあたしに気付き、輝と2人きりにさせてくれた。


輝とこうやって話すのは、いつ振りだろう。


そうだ、、、百合子ママの祖式以来だ。


「おめでと」


輝がそう言う。


「うん」


2人の間に沈黙が流れる。


あの頃、あたしが結婚する相手は輝だと思ってた。


それは輝も同じだったかな?


「式に行くか、、、すげぇ悩んだ」


あたしは「うん」としか言えない。


「でも翔が絶対来いって、しつこくてさ」


そうだったんだ、、、。


「いい加減、未来のこと自由してやれって、、、」


自由、、、。


輝の自由を奪っていたのは、あたしだったのかもしれない。

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