Polaris
「ミライさん」


ノックの音と共にドアが開く。


そこには店長の溝口さん。


あたしは吸っていた煙草を消す。


「同伴のお客さまが、、、」

「今行きます」


溝口店長が言い終わる前にそう言い、立ち上がる。


「お願いします」


溝口店長は軽く頭を下げ、笑う。


この笑顔に何人の女の子たちが騙されているんだろう。


あたしは後ろを歩く、溝口店長を見る。


元ホストの溝口店長。


顔は良いし、それに女の子たちのフォローもうまい。


だから、この店は回っているのかもしれない。


売上げだってここら辺なら、断トツ。


このお店のオープンスタッフだって、誰かが言っていた。


オーナーも溝口店長には、絶対の信頼を置いているし。

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