Polaris
そんなこと思っていると、同伴のお客さまのところに着く。


「ミライ」


お客さまはあたしを見て、上機嫌であたしの名前を呼ぶ。


それに営業スマイルで応える。


「会いに来てくれて、嬉しい」


なんて、心にも思ってないことを簡単に言う。


その言葉を聞き、笑顔になるお客さま。


あたしの肩に手を回し、お店の中に入った。


「ミライ、今日は良いことが合ったんだ。新しいボトルを入れよう」


その言葉を聞き、ボーイに頼む。


高給ボトルを慣れたように空け、お酒を作る。


「良いことって、何があったんですか」


特に興味もない、話を振る。


それから、営業トークが始まる。


わざと大袈裟に喜んだりして、それに大金を叩いてくれるのなら
あたしはそれに答える。

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