Polaris
でも、これから百合子ママが話そうとすること聞きたくないと思った。


聞いちゃダメだと、体が拒否する。


「あのね、、、」


そう話し出した百合子ママの言葉はあたしが想像する以上に知りたくない現実だった。


百合子ママと母親は同じお店で働いていた。


前に同じ職場と言っていたから、そうなんだろうと薄々思っていた。


その頃、母親がお客さまと枕をしてあたしのことを授かった。


そのお客さまにちゃんとした奥さんが居て、母親はシングルマザーの道を選んだらしい。


始めは飲み屋を卒業して、お昼の仕事に付いていたらしい。


だけど生活がギリギリで、母親は夜の世界に戻った。


その夜の世界が、母親を変えてしまったらしい。


同世代の女の子たちは、綺麗に着飾っていてブレンドのバックなんて持っていて。


どうして、自分はこんな思いをしければイケないんだろうって。

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