Polaris
話が終わり、あたしは自分の部屋へと駆け込んだ。


こんなに辛いのに、苦しいのに、あたしは泣けない。


いつから、泣けなくなったんだろう。


窓から差し込む光に目を逸らしたくなる。


何もないここを、いつの間にか好きになっていた。


でもここは、あたしには凄く息苦しい。


だって、ここに良い思い出しかないから、、、。


その日、あたしは考えた。


これからの自分の人生について、、、。


その日の夜、あたしはこの街を離れること百合子ママに話した。


「辛くなったり、嫌になったらいつも帰って来なさい。未来にはちゃんと帰ってくる場所あるからね」


百合子ママは背中を押してくれた。


あたしは19歳の春に、地元を飛び出した。


そして、この街に戻ってきたんだ、、、。

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