私の可愛い泣きべそサンタ
気が付いたら駅に行く前に通り過ぎた公園で。
そこでやっと三汰は静香の手を離す。
バカってなんだバカって。
静香はねちねちとさっきの言葉を頭の中で何回も繰り返した。
これでも学年トップなんですけど。
本当はこんなところで油を売っている暇などないのだ。
ずいっと。
突然目の前に突き出された赤い物に、静香は目を見開く。
な…っ、
静香は屈辱でも受けたように顔を上げた。
あのプレゼントを、綺麗に包装された手のひらサイズのプレゼントを、今、彼から突き出されている。
「いら」
「一緒に、」
いらないと、口を開いた静香に、三汰はすかさず声を重ねた。
ふと、彼の真剣な瞳と視線が合う。
「一緒に、…燃やして欲しいんだ。」
そう言うと目の前の男の子は、乱暴に包装紙を破り始めた。